2019.06.27 Update.

HºM'S" WatchStoreを通して実現したかったこと。

表参道から一本入ったマイセン通りに
H°M'S" WatchStoreをオープンしたのは約3年前のこと。
その経緯について書き記しておきたい
少し長くなりますが。

私たちはアイスウォッチやダニエル・ウェリントンといった
海外の時計ブランドの総輸入代理店を行っていました。
今では多くの人に知ってもらえるブランドとなりましたが、
それまでには並々ならぬ努力と苦労がありました。

日本ではまだ誰も知らない
非常に魅力的なブランドの数々と出会うことができましたが、
その魅力を全国の人に届けたいという想いを実現するには、
とても苦労しました。
「自分たちの手で、言葉で、
ひとりひとりのお客様にその魅力を伝えられるお店を作れないか」
そんな想いが、お店を作るきっかけとなりました。

私たちがプロデュースするブランドたちは、
一見するとファッショントレンドのように捉えられるかもしれない。
でも僕の考えは異なっていて
「新しいニュースタンダードになる
普遍的な魅力を持った
世界中のブランドたちをプロデュースしていく」
と捉えています。

なので、10年先も20年先も
変わらぬ魅力を持つお店を作りたかったのです。

写真は初期のラフスケッチ。

お店のデザインは、友人であるデザイナーの黒野氏に依頼し、
ゼロから一緒にコンセプトを作り上げていきました。
僕と彼は50年代~60年代の
北欧のビンテージファニチャーとか
ミッドセンチュリーとか、
日本の伝統工芸とか
高度経済成長のなかで「人のために」考え抜かれて作られたものが好きでした。
ですのでモノの価値観が近く、
お店のイメージはどんどん湧いていった。

数ヶ月必死で探して見つけた
表参道の小さな小さな美しい物件。
こぢんまりだけど
そこにはギュッと魅力の詰まった
ちょっとかわいくもあるお店。

ハンスJウェグナーのスリーレッグチェアを置こうとか
照明はポールヘニングセンがいいかとか
いろいろ候補はあったけど
チェアはアルバアアルトがデザインした
世界的な名作スツール60にした。
照明も合わせてアルテックのゴールデンベル。

誰もが一度は見たことのある名作だが
改めて見るとやっぱりこの完成された美しい曲面は
ずっと眺めてても飽きのこない美しさがある。
しかも愛嬌もある。
僕たちもそんな数十年も変わらず愛される存在になれたら。

宙に浮いたような扉を感じさせないガラス扉とか
床と一体になるようにせり上がったモルタルのショーケースとか、
店舗の意匠に関してはここに書ききれないほど
たくさんこだわりがあったりするんですけど
キリがないのでやめておきます。

とにかく
僕たちがプロデュースする、していくブランドたちは
新しいスタンダードとなり、永く愛されるものとなってほしいから
同じように愛されるお店を
来てくれるみんなと作っていけたらいいなと。

このお店が何年も先になっても
変わらぬ魅力を持ち続け、
素晴らしいプロダクトたちを発信していく基地になっていってくれたら。
そしてたくさんの人に愛される場所になってくれたら。
そう願っています。

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